「誤算」が招いた終末~2020シーズンレビュー(前編)
静寂と激動の2020シーズンが終わりました
僅か1 か月前の出来事です
僅かとは言っても個人的には年を越して新体制も始まっちゃったもんでとっくに去年の事なんか記憶の片隅だよって方もたくさんいるでしょうし自分もその一人です。
僕もこの総括系だけはなんとして新体制が始まる前には書くんだと思っていたのですが大学の課題に追われまくり、日中はバイトバイトでまあ書く余裕など一切なくこんなにも遅れてしまいました
まあ待ってた人などはいないことは重々承知してますがすいませんでした
ということですが皆さま昨季は本当にお疲れ様でした
2020年はサッカーどころじゃない人もたくさんいたかもしれないですね
無事あのとんでもない一年を無事消化しきった選手たちは本当に凄いと思うし、ヴェルディに限って言えばこれだけの感染者がいた東京都でただの一人も陽性反応が出なかったというのはまた凄いことだと思います。
話を聞くところでは他のチームでは遊びに行って感染したとか出てないだけであいつはうんたらかんたらみたいな他所の話も聞いたりしましたがそれでも若手がとても多いうちみたいなチームで感染者0は本当に努力の賜物であると思います。
改めて感謝と拍手です
とまあそれと切り離してちゃんと考えないといけないのは成績です
いくら厳しい状況とはいえそんなのどこか一つのチームではなく皆平等に苦しいと思えば何も言い訳はできません
結局時間と同じで皆同じ環境下でプレーしたわけですからその成績にも当然公明正大な示しがつくわけです
結果的にチームはまたも昇格を逃しここ2年はその争いにすら関われていないのです
昨年はタイトルにもある通り個人的には「誤算」の嵐であった年だと思います
それは当然いい方にも悪い方にもです
一昨年は二人の監督に焦点を当てて取り上げていきましたが今回は少し選手個人の部分が多くなるかもしれません
その誤算がチームにどのような影響と終末を与えたのか、2020シーズンをまとめていきましょう
※他サポが多い僕のフォロワーが見てもある程度は分かるように内容を書いていますのでうちのサポの人には既知事項ばかりかもしれません、+あくまで僕個人の主観込々で書かれますのでこれらご了承ください
・未曾有の経験の中で
まずはなんといってもコロナウイルスによる影響です
開幕戦は決起集会で密になり、当たり前のように声を出して応援していたのが嘘のようというか、はっきり言ってもうその頃を思い出す方が違和感になってしまうほど今のスタイルが定着してしまいましたね
そんな開幕戦のメンバーがその時に見ても今見てもはふぇ?みたいな感じだったのはもう懐かしい話ですがその時の試合は少しずつ変化の片鱗を見せつつもまだまだ未熟な内容で敗戦
レアンドロの現役最後の試合となってしまいました
コロナにおける中断で次に試合があったのは4か月後の6月27日、無観客で再開されました。
その後今季初勝利をつかんだのが第5節ホーム甲府戦
その試合を皮切りにヴェルディは8月頃まで色々ありながらも好調を維持、一桁順位もキープしていました
しかし9月10月手詰まりに
11月に何とか内容で進歩は見せつつも結果はついてこずなんと最後は7戦未勝利でシーズンを終えることに
このシーズンにおける最大の特徴はもちろん過去に例を見ない壮絶なハードスケジュール
昔J2で3回総当たりしてた時ですらこんなにも過密じゃなかったわという5連戦、一つ挟んで5連戦、というのがひたすら続くシーズンでした
ヴェルディはこのコロナによる中断期間にて開幕戦時未熟であった戦術面にての大幅な進歩が見えたのは良かった点でしょう
ですが当然デメリットもたくさんありました
まずは選手の固定化によるパフォーマンス低下です
中でも特に自分が挙げたいのは今季左サイドバックとして33試合に出場した福村貴幸です
福村は今季前半戦だけで8アシストを記録
今季のアシスト王は間違いなしかと思われたのですが何と後半戦のアシスト数は0とかなり伸び悩み結果今季のアシスト王は福岡のサロモンソン(10アシスト)に譲ることとなりました
なぜ後半戦これだけ伸び悩んだのか
それは選手層の薄さによる勤続疲労が原因であると考えます
福村は8月16日アウェイ水戸戦から9試合連続フル出場、次の2試合でも173分に出場するなどしていました
僕の記憶が正しければ9月のチーム不調期、フル出場が続いていた福村でしたがあからさまなパフォーマンスの低下が見えていたように思います
好調時には考えられないボールのロストやパスミスが多く、全体を通しても効果的なあの高い精度のクロス、スルーパスは姿をひそめていました
ただなぜそれでも代えられなかったのかというとここに争うはずであった奈良輪雄太がそこそこの期間負傷離脱してしまったからでした。
右には奈良輪が離脱してもクレバーな働きで大活躍を見せた若狭、やるときはもの凄いクオリティを見せるクレビーニョ、開幕戦右サイドバックとして出場した澤井などが控えていましたが左をこなせるのは奈良輪と福村のみでした。
そのため代える選手がおらず超過密スケジュールの中でも使わざるを得なかった状況であったのは確かであると思います(オプションとしての山本理仁はありますがそれもなかなか簡単にやれるものでもない)
まあ連続フル出場なんて言ってますけども今季40試合でフル出場した平なんかはほんとに凄いし、他にも出停を除いた41試合全てに出場したルーキー山下や譲瑠なんかもほんとによく怪我せずあれだけやってくれたと思います
ただこれ以外にも疲労を抱えたままプレーしているだろうなという印象を抱えた選手は何人もおり、これはまずコロナ禍での良くなかった点の一つであろうと思います。
次にコロナ禍で生じたデメリットは相手研究を取る時間の無さです
試合の間隔は短いということはもちろん相手を研究するだけでなく自分たちのフィードバックをすることもなかなか十分に出来ていなかったように思います
個人的には10月アウェイ愛媛戦であれだけいい勝ち方をしたにも関わらずその3日あとの試合から7試合勝てなくなったのは本当によくわからなかったというか、確かに何試合か後に同じ形が何度も出ていたのでまあ思い出したのかなと思いつつも、よかった形までこう経験値として振り返れないような過密日程であったのではなかったのかなと思います
ただしこの過密日程というのはあくまで全チームが共通して被った苦労であって特別ヴェルディだけが相手の研究に割く時間が足りなかったとか選手が疲労していただとか、そんなことを言っていいわけがなく、嘆くならせめて去年はあの大宮の怪我人の数くらいでしょう
てなわけで、これらは誤算ではあるけどあまり言い訳にはしてはいけない類のものであるということです
次にチーム内で起きていた「誤算」について振り返っていきましょう
・若手組の覚醒と伸び悩み
2020シーズンのユース卒選手は藤田譲瑠チマ、松橋優安、石浦大雅、馬場晴也、阿野真拓(2学年早上がり)の5名、まだ上がるのかなあなんて選手もいましたがとりあえずこれだけでも相当な数を昇格させることに
大怪我上がりの馬場も終盤には復帰し、なんとかそれぞれが最低限試合に関わることが出来ていたように思います
各々で見ると少し突っ込みたくなるところもありますがまあギリ及第点かな、、、?みたいなところでもあるのかな、うーん、いやそうでもないようなというのは置いといて
トップにいる01世代の選手は早上がりしていた山本理仁を含めてなんと5人という構成になっていました
そんな中これらユース卒の中でも大きくその才能を覚醒させた選手が今年は2名いたかなと個人的には思います
これは良い誤算でしたね
個人的な昨シーズンのMVPでもある藤田譲瑠チマ、そしてもう一人は井上潮音です
井上潮音は試合数やポジションこそ本職とは言えない起用法での一年となりましたが今年の彼は間違いなくここ数年とは打って変わった姿を見せていたように思います
多分僕の口で説明するよりもこの記事を見ていただくのが一番わかりやすいと思うのですが間違いなく彼の中での覚悟が変わった一年でした
中でも印象的だったのはアウェイでの山口戦
1点ビハインドのロスタイムにまさかの2枚目の警告をもらい退場となったシーンで彼は今までに見たこともないような怒りの感情を表していました
今まではひたすらプリンスともてはやされ、上手いだけの選手にとどまりつつありましたがここからも中身から彼の本質が変わり始めているのだなと感じ取れました
彼は過去覚醒したと言われていたのが2018ロティーナ後期、2019ギャリー政権の時と過去二回あったのですが本当の意味での覚醒は間違いなく去年であったなと思います
昔から頭を動かしながらサッカーをするのがかなり苦手なタイプで上で挙げた二回もはっきり言って秩序が壊れていた時代といっても過言ではありません
19年監督が永井さんに変わったあとは前半戦のような活躍は出来ずやはり戻ってしまったのかと思っていましたが去年の̪潮音の献身性やプレーへの適応は彼なりにかなりの伸びしろがあった点でした
ただまあ彼の移籍先が無秩序も無秩序みたいなところに移籍してしまったのが何とも言えないというか今年の経験値が無駄にならないことをとにかく祈ります
何はともあれなんだかんだ潮音ってここ最近のユース卒の中ではかなり長く残ってくれた選手ですし、ちゃんと移籍金満額残してもらってるし、彼のキャリアを考えてもどう考えてもJ2に残り続けてる我がチームのが圧倒的に悪いので移籍して当然だと思います。
少し遅めのJ1デビューにはなってしまったし、かなり彼の中での成長曲線を鈍らせてしまったかもしれないけれど何とか来るところまでは来れたと思うし、これからどのようなキャリアを刻むか分からないけど本当に頑張ってほしいなと思います
話を戻して二人目は藤田譲瑠チマ
去年のJ2新人王と呼ばれるべき去年1番のサプライズでしたね
何より去年の彼が一番すごかったと思うのは本当に目に見えるレベルで1試合1試合で様々なことを吸収し、成長し続けたことでしょう
元はといえば彼は19年の最終戦岐阜戦でスタメンデビューして、その時から譲瑠良くね?ってなってましたし、ユース時代も2年生までビデオ撮影係であった話もそこそこ有名でしょう、そこから1年でトップ昇格&世代別代表選出なわけだから本当に成長速度がすさまじく、次々に出来ることが増えていくばかりでした
監督にも驚かれ、大久保にも「19歳にこれ以上を求めるのは酷」ともいわせるレベル
ちなみにこれは指導日から2、3日後の練習を見に行ったあとの自分の鍵垢でのツイートなんですがこの時から相当に良いなと感じさせるぐらいのポテンシャルだったんです(ドヤ顔)(当時のアンカー最有力は山本理仁)
譲瑠は開幕戦こそインサイドハーフ(フロントボランチ)での起用でしたが中断明けからアンカーのレギュラーに定着
前半戦の彼はボール回収能力に優れ中盤でパスを効果的に散らすだけでなく彼自身が真ん中でボールを運ぶことの出来る理想的過ぎるアンカーでした
イメージ的には決定的場面の2個前のパスを出す選手と言ったところでしょうか
ただ決定的と呼べる場面を作ることには躊躇する場面も開幕戦から見受けられ大久保に徹底的に怒られる場面などしばしば
そこから彼がどんな選手に成長したかというとアンカーの位置で完全にインサイドハーフの選手がするプレーまでをも習得してしまったのです
ボール奪取能力はさらに磨きがかかり長短のスルーパスをトップに通せるようになったことで目に見える数字が付いてきただけでなくなんと結果的にシーズンでは3ゴールも挙げることに
中でも徳島戦での彼のゴールは強く印象に残ったでしょう
これがなければ徳島から声がかからなかったというなら決めなければ良かったね()
まあそんなことはないだろうけど
スペックがどんどんアンカーを超えて一列前でプレーでするべきスタイルへと変わっていっていたので今年もヴェルディでプレーするならそういう起用法で見たいなあと思っていたのですがまあ残念ながら徳島へと移籍と
彼本人にとっても周りのクラブチームにとってもU20W杯が中止になったのは相当に影響があったらしく本当にコロナてめえという感じです
コロナさえなければという世界線は本当に色々あって悔しい思いばかりしているような気もしますがまたそれは別の話
譲瑠に関しては正直もうどうにでもなれという気持ちも半分くらい芽生えているのも事実で、まあ頑張ってほしいとは思いますがあのクズの集まりに応援されるのは去年開幕戦で直人コールを直接聞いたときのもどかしさと重なるというか
磐田の伊藤洋輝に金払えるクラブがなかった時点で譲瑠もなんとかなるかなあとも思っていたんですが
まああのTCたくさん落としてもらえば何でもいいんです、早く海外行ってください、なんでJ1「如き」のカテゴリーでクッションを踏まなきゃいけないんだよというのはとても思うのですが名前の挙がっていたクラブを羅列してみると個人的にはあともうピンクの方の大阪ぐらいしかなかったかなあという気もします
まあただのよそ者が選手の選択にケチつける方がよっぽどキモいのでまあここぐらいまでにしときますが、三竿を見事に国内クオリティにとどめやがった鹿島のクソ野郎のところには行かなくて本当によかったと思います
まあ納得できないけどやっぱ出来なくもないみたいな感じですしそれなりに本人にそういう覚悟はお持ちらしいのであとは好き勝手やってくださいという感じです
必要以上に勝手にしろみたいにキレてるおっさんはきもいなあと見てて思いますが
と話は真反対、そんな傍らに昨シーズン期待を大きく裏切ることになってしまった選手もまた二人
端的に言うと僕は2020シーズン、森田晃樹がこのチームを上に連れていくものだとばかり思っていました
正直なところ活躍次第なら彼が一番早く夏にでも流出するんじゃないかとまで思っていたのですが、蓋を開けてみると彼は怪我で一年をスタートさせ結果的に大きな壁にぶち当たる一年となってしまいました
もう一人、山本理仁についても同様でしょう
恐らく昨季の時点で他所からのオファーも届いていたでしょうが残留し、去年はその大器を世に見せつける時だと思っていました
ですが個人的には森田以上の空振り具合で、そのパフォーマンスの酷さはなかなかのものでした。監督が永井秀樹でなければ今シーズンはあとどれほどの出場機会が減っていたことか
僕個人としては森田のことをチーム唯一の同世代ということもあって入団時から河野の次に応援している選手なんですが、今年はかなり残念だったなあというか
決して特別悪かったというわけではなくて少しずつ少しずつ変わろうとするその姿は確かだったんですがどうしてもそのもう一超えが見えなかったというのが本音です
ぱっとしないパフォーマンスだけでなく数字としてもほとんど結果を残せずアウェイ新潟戦の最後の決定機は僕も本当に去年一番がっくりきたというか椅子をになだれ込むかのように倒れたのを覚えています
その試合と今年の最終戦、彼は試合後泣いていたように思います
去年1年、どこか期待しすぎた部分があったのかもしれません、周りが見ていた以上に辛く高い壁を感じていたのかもしれません
でもそんなことはさっさと乗り越えて大きく世界へと羽ばたいていってほしいなと所詮外野の僕は思うのです
森田の誕生日の日に永井監督からブチギレられた事件があった時の言葉にもありましたが本当に「それなりの選手」で終わってほしくないからこそ今年はチームの核になるぐらいの活躍を見せてほしいんです(一発目の体力テストで早々にリタイアしてたのとか早速1発目のTMで大決定機外してそれ発端でまた監督に怒鳴られたやつとか正直心配な部分は山ほどあるんですが)
個人的にはそれこそ森田のプレーこそ10番にふさわしいタイプなんじゃないかなと思うのですが今年は広貴君に付けろと言われたという7番を背負ってのプレー、余計に応援せざるを得ません
がんばれ、森田
とまあもう一人、理仁に関してですがなんかこう良い感じにして突き落とすのも悪いなとは思うんですが酷かったですね
元々これは森田にも通じる部分が相当ありますがまだフィジカルの部分で競り負けたりする場面があっても強くなれよとは思うけどまあギリしょうがないで済ませられる部分もあるんですよ
でもそれ以外の本来スペシャリティであるはずの部分も平気で酷かったから文句付けたくなったのが去年の彼でして
1年目出場ポジションが左バックだったりCBだったりと本職じゃないポジションで起用されていたから可哀想だなと思っていたんですが去年に限って言えばIHやアンカーでの起用よりもよっぽど左バックの方がいいプレーをしていたように思うというか
しかも本人の中ではそうでは当然ないというのも置いといて彼のプレースタイル上全く必死でやってる感が伝わってこないというか、舐めてんのかな?という風にも映っちゃう時があってそこもあんま気にいらんなあという感じも正直しました
永井さんが彼自身と相当向き合って我慢したとも思うんですがなかなか去年1年を通して良くなることはなかなか無かったですね、シーズン前あれだけ慰留を願ったサポータですらあれ以上やるとヘイトまで溜めてしまうんじゃないかというレベルでした
彼もまた期待を受けすぎてる一人だとは思うんですが昨オフにアンフィールドとかぶち上げちゃってる時点で正直森田と違ってあまり擁護のしようもありません
J2には2年だとか言っちゃったからには少なくともプレーと結果で見せてくれないとこっちとしては納得いかないですね
もちろん喧嘩腰ではなく活躍してほしいという気持ちからなんですけども
彼が今年どのような「結果」で示してくれるのかは注目したいと思います
とりあえず前編はこんなところで
扱った内容が少なく既知事項ばかり個人的な感情満載で申し訳ありません
それでは後編でお会いしましょう
ばーい👍